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漆喰って安全?~消石灰について
自然素材である漆喰には、サイト内にもある通り、
たくさんの優れた特長があります。
その特長の中で、『漆喰の安全性』について考えてみたいと思います。
水練りされた漆喰が壁に塗られて固まるには、消石灰の力が欠かせません。
これは世界各地共通で、石灰系の壁材は消石灰が空気中の二酸化炭素と反応して硬化するという特性を利用することで壁材として成り立っています。
その消石灰は化学的には水酸化カルシウムという物質です。
水酸化カルシウムの水溶液はph(ペーハー)13~14のアルカリ性ですので漆喰を取り扱う際には、保護メガネ、マスク、ゴム手袋が必要です。
消石灰が目に入った場合は、指でこすらずキレイな水でよく洗い流します。
こすると炎症を起こしますので厳禁です。
DIYなどでお子さんと一緒に塗ったりする場合は特にご注意ください。これを防ぐために保護メガネは必要です。
消石灰は学校の運動場で白線引きに使用されていましたが、平成19年に文部科学省が強アルカリ性の消石灰ではなく、安全性の高い炭酸カルシウムに切り替えるよう全国の教育委員会に通知を出しました。
壁になった漆喰は触っても大丈夫。吸水性があるので肌の水分は吸われます。
マスクの着用については、消石灰に限らず食品でない限り、できれば粉塵は吸い込まないほうがいいので、出来るだけ着用をおすすめします。
微量を吸い込んでも咳が出る程度でうがいをすれば解消されます。
胃に入った場合は胃酸で中和されますし、消石灰が肺に入っても微量であれば問題ありません。
ゴム手袋については、必ず着用してください。漆喰の感触をみるために水練りした漆喰を素手で触ることもありますが、基本的には強アルカリ性の消石灰、漆喰は素手で触れると手の皮膚が荒れます。
DIYで漆喰を施工される場合に油断して素手で扱う方もいますが、次の日に大変なことになりますので面倒ですが必ず着用してください。
多少荒れたとしても乾燥した手荒れ程度ですが、ひどい場合は皮膚科に行かれることをおすすめします。
私も手荒れしやすいので、日常的に現場で漆喰を扱ったあとはハンドクリームなどを塗っています。
消石灰は人間の骨と同じカルシウムです。食品や化粧品にも添加されるほど人間にとって悪い影響がない成分です。
それだけ人間にとって身近な成分だからこそ5000年も前から現在にいたるまで、世界各地で消石灰を使った壁材が生き残ってきたのでしょう。
ただ、あまりデリケートになる必要はありませんが、漆喰や消石灰そのものを扱う時には、上のようなことに気をつけていただければと思います。
それと、固まった漆喰壁の表面はしだいに炭酸化が進み、強アルカリ性が弱まりますので素手で触っても大丈夫です。
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