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化学物質過敏症

化学物質過敏症

2013年06月7日

先月、高知市にて化学物質過敏症の特別講演会がありました。

 

化学物質過敏症の専門医である、北里大学教授の宮田幹夫先生と、国立高知病院副院長の小倉英朗先生による講演があり、ロビーでは高知の患者会、ゆるゆる仲間が作成したパネル展も同時開催されました。

特別講演会ポスター

化学物質過敏症という病気は一般的にはほとんど認知されていません。4年前の2009年にようやく国によって病名登録され、健康保険の適用が可能になり高額な医療費の負担が解消されました。

 

高知の患者会である『ゆるゆる仲間』のみなさんの積極的な活動により、高知県内でもこの病気が少しづつ知られるようになっています。

 

 

<化学物質過敏症とは>

 

極微量の化学物質によって頭痛や倦怠(けんたい)感など多様な症状が表れる。体内に蓄積された有機溶剤や農薬、消毒薬などが一定量を超えると発症するといわれる。一度発症すると、多種類の微量な化学物質に反応し、居住空間だけでなくあらゆる場所や日用品に対して症状が出てくるため、重症者はほとんど外出できず日常生活が困難になる。国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)の00年の調査によると、シックハウス症候群の重症例を含む化学物質過敏症の成人患者は全国で計70万人とされる。

 

 

<発症者が反応を示す主なもの>

 

● 防虫剤類(無臭であっても有害性は高い)

● 殺虫剤(防シロアリ剤、ゴキブリ退治、蚊取り線香など)

● 合成洗剤類(衣類用、食器用、柔軟剤、漂白剤ほか)

● 清掃用洗剤(バス、トイレほか)

● 各種化粧品(ヘアケア、ボディケア用品など)

● クリーニングの溶剤(服などに染みこんでいる)

● 農薬類(除草剤、殺虫剤、消毒剤ほか)

● 塗料やインクの溶剤(筆記用具、印刷物ほか)

● 電磁波(家電製品、パソコン、携帯電話ほか)

● タバコや野焼きの煙

● 排気ガス

 

 

<発症の主なきっかけとして考えられること>

 

● 新築やリフォーム(シックハウス)

● 入園や入学(シックスクール)

● 転勤や職場の配置転換(シックビル)

● 近隣の農薬散布

● 新しい家具や電気製品の購入

● 新しいIT機器の導入

● 職場や家族からの受動喫煙

● 歯の治療

 

※上記の三項目は高知の患者会『化学物質過敏症・ゆるゆる仲間』の資料を抜粋させていただいています。

 

 この病気は発症のきっかけを見て判る通り、日常のごく一般的なことが原因になっています。

 

発症の経過は花粉症と似ているため、特別な病気ではなく、誰でも発症する可能性があります。

 

前段階の症状として、改装したての店舗、ドラッグストア、100円ショップなどの店舗内の臭い、新築住宅の臭いなどの化学物質に反応し、気分が悪くなる、苦手という人は、特にご注意ください。